『豊年祭』 屋鈍・平田・阿室集落
宇検村では,各集落毎に“豊年祭”が開かれます。本校校区の屋鈍・平田・阿室集落においても,それぞれの伝統に基づいて,粛々とそして賑やかに豊年祭が執り行われました。
8月13日(土)に屋鈍集落,14日に平田集落,21日に阿室集落の豊年祭が行われました。細かい流れは,集落によって違うのですが,大まかな流れは,次のとおりです。
◎ 土俵の様子・・・土俵は,神聖な場所として安全を祈願した塩で清められます。
【振り出し】:まわしを締めた力士たちが,『ヨイヤ,ヨイヤ,ワイドワイド』のかけ声と共に1歩ずつ土俵の周りを,列をなして1~3周練り歩きます。
次に,塩払い(土俵開き)をしたあと,『力飯(ちからめし)』の入場です。
力飯は,女性がお盆に盛った“にぎりめし”を片手に,独特のリズムで打たれるチヂンの音に合わせて踊りながら列を作って入場します。
次は,土俵入りです。生まれて初めて豊年祭を迎える赤ちゃんの土俵入りです。紅白のねじりはちまきをして,立派な化粧まわしを身につけた赤ちゃんが,大人に抱きかかえられて,土俵入りを行い,土俵に足をつけて,健康と健やかな成長を皆で祈ります。
まさに“子は宝”です。
次は,いよいよ,子どもたちによる“相撲”です。日頃仲の良い友達同士であっても,このときばかりは真剣に力勝負です。押し出されたり,投げられたり,一緒に倒れ込んだりと,熱戦が続きます。本校の子どもたちは,転入生が多く,中には初めてまわしを着けた子どもも多くいました。それでも恐れることなくいっょうけんめい相撲を取り,豊年祭を盛り上げてくれました。
子どもの対戦が終わると,大人の取り組みが始まります。団体戦,個人戦とも迫力ある対戦が続き,場内はますます盛り上がっていきます。
大人の決勝戦前に,“イッソウ”が始まりました。女性が列を作り,チヂンのリズムに乗せて歌い,土俵の周りを踊ります。その中で決勝戦が行われるのです。
決勝戦が終わると,総踊りです。男女関係なくチヂンのリズムと歌に合わせて土俵の周りを踊り,皆で豊年祭を祝います。
小さな阿室校区の隣り合った3つの集落ですが,“豊年祭”は,それぞれの伝統があり,伝統に基づいて行われいました。奄美の集落のことを“シマ”と表現しますが,まさに“シマ”の文化のすばらしさと奥深さを垣間見た気がしました。
管理人
コメント